新卒インドエンジニアが日本企業を避ける理由と、それを覆す方法
優秀なインド人新卒エンジニアの多くが、日本企業を第一志望にしないのは理由があります。本記事では、避けられる要因と、それを覆して“選ばれる企業”になる方法を解説します。
目次
インド新卒エンジニアが日本企業を志望しない主な理由
インドの上位層の学生(Tier1・Tier2大学の工科系)は、グローバル求人の選択肢が豊富です。
そんな中、日本企業は“魅力が伝わりにくい”という課題を抱えています。
主な理由は次の通りです。
給与水準が海外企業より低い(特に米・欧・中・シンガポール)
技術スタックが古いというイメージ
意思決定が遅い・裁量が少ないと思われている
日本語習得のハードルが高く見える
ビザや移住のプロセスが不透明で不安
キャリアパスが読みづらい
これはあくまで“印象”であり、すべての企業が当てはまるわけではありません。
しかし、採用段階でこのイメージを払拭できない企業は、上位層を取りこぼします。
グローバル競合(米・中・シンガポール)と比べた日本企業の弱み
インド人学生が日本よりも他国を選びやすい理由は、競合国の採用姿勢にもあります。
・米国(特にBig Tech)
高給与・最先端プロジェクト・自由な文化が圧倒的魅力。
・中国の大手テック(特に深圳・北京)
高待遇に加え、AI・IoTなど最先端領域の成長速度が桁違い。
・シンガポール
英語圏・高給与・ビザの取りやすさからインド人に大人気。
これらの国は、
採用プロセス、入社後の成長シナリオ、技術チャレンジを明確にして学生を惹きつける
点で非常に強いのです。
“日本=古い/保守的”という誤解が広まる理由
日本企業で働いたことのない学生にとって、日本の情報源は限られています。
その中でよくある誤解が以下です。
日本の企業文化=上下関係が強く、若手に裁量が少ない
残業が多い/ワークライフバランスが悪い
英語が使えずグローバルな働き方ができない
最新技術よりも保守運用中心の仕事になる
実際には、スタートアップを中心にこれらを覆す企業も増えていますが、学生側がその情報に触れる機会が少なく、古いイメージのまま判断されているケースが多いです。
日本語ハードルと“生活・ビザ不安”をどう乗り越えるか
インド人新卒エンジニアが日本企業を避ける理由の中でも、特に大きいのが次の3点です。
日本語コミュニケーションの不安
文化の違いによる生活面の不安
ビザ取得や住居手配のプロセスが複雑に見える
これを覆す企業は、次のような取り組みを行っています。
・日本語学習を会社負担(オンラインも可)
採用前からJLPT支援する企業は人気が高い。
・生活立ち上げサポート(住居・口座・SIM・市役所手続き)
最初の1週間を伴走するだけで、不安がほぼ解消する。
・ビザ手続きの透明化
COE申請の流れ、期間、必要書類を整理した資料を渡す企業は信頼されやすい。
インド人材は“シンプルで明確なサポート”を求める傾向が強く、日本企業が得意とする丁寧なケアと相性が良い部分でもあります。
日本企業が取るべき“逆転戦略”:インド人材に選ばれる6つの方法
日本企業は、弱みを補い強みを打ち出すことで“選ばれる側”になれます。
効果が大きい施策は次の6つです。
・キャリアパスを入社前に明確化
曖昧な説明は最も嫌われる。
・技術チャレンジを可視化
どんな開発環境・プロジェクトに参加できるのか具体的に提示。
・90日オンボーディングのロードマップを提示
成長のイメージが湧くため非常に効果的。
・英語と日本語を併用したコミュニケーション体制
“完璧な日本語”を求めない姿勢が安心感を生む。
・給与と成長機会のバランスを説明
給与だけで勝てないからこそ、成長・経験・技術領域を強く打ち出すべき。
・インドキャンパスでの企業説明/現地セミナー
学生は“直接会った企業”に強い信頼を抱く。
競合がほぼいないため、効果が極めて大きい。
特に成長意欲の高いインド人材には、“あなたのキャリアをこう伸ばせる”という具体的な未来予測が響きます。
まとめ
インド人新卒エンジニアが日本企業を避ける背景には、給与や技術スタックだけでなく、文化・言語・キャリアの不透明さが大きく影響しています。しかし、成功企業の事例が示すように、情報の透明化、キャリアの明確化、オンボーディング整備、生活サポートなどに取り組むことで、日本企業でも十分に上位層の学生に選ばれるようになります。
Phinxでは、インド工科系大学との直接連携、日本語学習支援、キャリア設計支援、現地説明会の企画など、“インド新卒に選ばれる企業づくり”をトータルでサポートしています。上位層人材の獲得を目指す企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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