インド新卒採用の技人国ビザ申請|2026年の必要書類と手順

インド新卒を日本本社で採用する場合、内定後に詰まりやすいのは候補者探しではなく、技人国ビザとCOE申請に必要な書類の整合性です。 この記事では、2026年8月時点の公的情報に基づき、インド新卒採用で企業が確認すべき必要書類、追加書類、N2相当資料の要否、COE後の査証申請までを整理します。
目次
結論要約
インド新卒の技人国ビザ申請では、候補者の専攻と日本で任せる職務のつながりを企業側が説明できるかが最初の分岐点です。
2026年4月15日以降は、カテゴリー3・4の企業で追加書類も必要になりました。
技人国ビザでは、学歴や専攻と日本での職務内容の整合性を確認します。
2026年4月15日以降、カテゴリー3・4では所属機関代表者に関する申告書が追加されています。
主に言語能力を用いる対人業務等では、CEFR B2相当の言語能力資料が必要になる場合があります。
ITエンジニア等の技術職は、N2相当資料の対象職務かどうかを業務内容で分けて判断します。
インド新卒では、学位証明、Provisional Certificate、成績証明、氏名表記、翻訳文の確認を早めに行います。
技人国ビザとインド新卒採用の前提
技人国ビザとは、正式には在留資格「技術・人文知識・国際業務」を指します。
出入国在留管理庁は、理学、工学、人文科学などの知識を要する業務や、外国文化に基盤を持つ思考や感受性を必要とする業務を対象にしています。
在留期間は5年、3年、1年または3月です。
インド新卒採用では、ITエンジニア、データ職、機械工学系の技術職などが「技術」の領域に入りやすい一方、マーケティング、通訳、語学指導などは職務の説明が変わります。
重要なのは、候補者の国籍ではなく、候補者が学んだ内容と日本で任せる業務の接続です。
COE申請は内定後の事務作業ではない
海外在住のインド新卒を日本へ呼び寄せる場合、通常は日本側の受け入れ企業や代理人が在留資格認定証明書、いわゆるCOEを申請します。
候補者はCOEを使い、インドの日本大使館や総領事館で長期査証を申請します。
この流れを見ると、COE申請は内定後の事務作業に見えます。
しかし、実際には採用要件の段階で勝負が決まります。
職務内容が曖昧なまま内定を出すと、申請時に専攻、履修科目、職務内容、給与、入社時期の説明を後から組み直すことになります。
海外新卒と国内留学生を分ける
インド新卒採用には、海外大学から直接採用する場合と、日本国内の外国人留学生を採用する場合があります。
海外在住者はCOE申請が中心になり、国内留学生は在留資格変更許可申請が中心です。
出入国在留管理庁は、2025年12月1日から、在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などへ変更する一部の国内卒業予定者について、提出書類の省略を認める案内を出しています。
これは国内留学生向けの扱いであり、インド現地大学から直接採用する海外新卒のCOE申請と同じではありません。
2026年4月15日以降の追加書類
2026年4月15日以降、技人国ビザの申請ではカテゴリー3または4に該当する場合に追加書類が必要になっています。
出入国在留管理庁の案内では、所属機関の代表者に関する申告書と、一定の職務におけるCEFR B2相当の言語能力資料が示されています。
確認項目 | 対象 | インド新卒採用での見方 |
|---|---|---|
企業カテゴリー | カテゴリー3・4 | 中小企業や設立間もない企業は該当しやすい |
代表者申告書 | カテゴリー3・4 | 申請前に会社側で準備する |
言語能力資料 | 対人言語業務等 | 職務内容で提出要否を分ける |
更新申請 | 同様の業務継続なら省略の場合あり | 新卒の初回COEとは別に考える |
カテゴリー1・2に該当する企業では、提出書類の扱いが異なります。
自社がどのカテゴリーに入るかを確認せずに書類一覧だけを見ると、必要書類を過不足なく判断できません。
カテゴリー3・4で増える企業側の責任
カテゴリー3・4では、企業側の実態や受け入れ体制をより丁寧に説明する必要があります。
代表者申告書は、候補者の書類ではなく、受け入れる所属機関側の書類です。
そのため、人事担当者だけで完結させず、代表者、経理、現場責任者が確認できる状態にしておきます。
中小企業がインド新卒を1人目として採用する場合、カテゴリー3・4に該当するケースは珍しくありません。
「大企業と同じ書類で進めればよい」と考えると、申請前の準備が足りなくなります。
派遣形態・客先常駐の扱い
出入国在留管理庁の技人国ページでは、2026年7月13日更新として、申請人が派遣形態で就労する場合の取扱いも案内されています。
インド新卒エンジニアを日本で採用する場合、直接雇用なのか、派遣形態なのか、客先常駐を含むのかで説明すべき内容が変わります。
新卒採用では、最初から派遣形態や客先常駐を前提にすると、候補者の育成、職務内容、指揮命令、入社後フォローが複雑になります。
少なくとも初回採用では、誰が雇用し、誰が評価し、どこで何の業務を行うかを申請前に固定してください。
インド新卒で確認する学位・成績書類
インド新卒採用で企業が早く着手すべきなのは、学位と成績の確認です。
技人国ビザでは、候補者の学歴や専攻と、日本で行う業務の関連性が問われます。
インドの大学名だけで判断せず、学位名、専攻、履修科目、卒業時期を見ます。
書類 | 確認する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
学位証明 | Bachelor等の学位、卒業日 | 正式発行前は代替書類を確認する |
Provisional Certificate | 卒業要件を満たした証明 | 発行時期を大学ごとに確認する |
成績証明 | 履修科目、成績、専攻 | 職務説明との接続に使う |
パスポート | 氏名、生年月日、表記順 | 大学書類との表記差を確認する |
履歴書 | インターン、研究、使用技術 | 職務内容と無理に合わせない |
外国語で作成された書類には、日本語訳を添付します。
翻訳の形式だけでなく、氏名、大学名、学位名、専攻名が書類間でずれていないかも確認してください。
Provisional Certificateの扱い
インドでは、正式なDegree Certificateの発行まで時間がかかることがあります。
そのため、卒業直後の候補者ではProvisional Certificateを使って卒業を説明する場面があります。
ただし、企業は「暫定証明があるから問題ない」と先に決めるべきではありません。
大学が何を証明している書類なのか、卒業要件を満たした日付が分かるか、候補者の氏名表記がパスポートと一致するかを確認します。
疑問が残る場合は、行政書士や入管相談窓口へ早めに確認した方がよいです。
3年制学位と職務関連性
インドには3年制の学士課程もあります。
学士であること自体は確認対象になりますが、技術職として申請する場合は、専攻と職務内容の関連性をより丁寧に説明する必要があります。
たとえば、Computer Applications、Computer Science、Information Technologyなどの学習内容と、入社後の開発業務やデータ業務が結びつくかを見ます。
専攻が離れている候補者をエンジニアとして採用する場合、職務説明を後から整えるのではなく、採用前にリスクを判断してください。
COE申請で企業側が準備する書類
COE申請では、候補者の書類だけでなく、企業側の資料も重要です。
出入国在留管理庁の提出書類はカテゴリーで分かれます。
実務では、申請書、写真、カテゴリー証明、企業資料、決算関係、雇用条件、職務内容説明などをまとめて確認します。
職務内容説明書
インド新卒採用で最も注意したいのは、職務内容説明書です。
「エンジニア業務全般」「システム開発補助」のような書き方では、候補者の専攻と業務の関連性が見えません。
たとえば、AIやデータ系の候補者を採用するなら、使用する言語、扱うデータ、担当するシステム、入社後90日で任せる成果物を説明します。
職務を広げすぎると便利に見えますが、申請では逆効果になることがあります。
採用理由書と雇用条件
採用理由書では、なぜその候補者を採用するのかを企業側が説明します。
大学名や成績だけでなく、候補者の履修内容、研究、インターン経験、使用技術が、自社の業務でどう使われるかを示します。
雇用条件も確認対象です。
報酬は日本人が同じ業務に従事する場合と同等額以上である必要があります。
インド採用では、現地で伝えた年収感と日本の月給、賞与、社会保険控除、手取り額の見え方がずれるため、内定時点で説明しておくことが欠かせません。
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インド人材採用では、候補者のスキルや日本語力だけでなく、在留資格、COE申請、紹介ルート、契約形態まで一体で確認する必要があります。
N2相当資料が必要になる職務
2026年4月15日以降の案内で誤解されやすいのが、日本語N2相当資料の扱いです。
すべての技人国申請者にN2が必要になったわけではありません。
ポイントは、カテゴリー3・4に該当する企業で、主に言語能力を用いて対人業務等に従事するかどうかです。
技術職と対人言語業務を分ける
インド新卒エンジニアを採用する場合、開発、設計、データ分析、クラウド運用などの技術職であれば、まず職務の技術性と専攻の関連性を確認します。
この場合、N2相当資料を全員に機械的に求める設計は適切ではありません。
一方で、翻訳、通訳、接客、顧客対応、ホテルや旅館での対人業務など、言語能力を主に使う職務では確認が必要になります。
IT職でも、日本語で顧客折衝を主に担うポジションなら、職務内容を見て慎重に判断します。
実務上の日本語力は別に評価する
制度上の提出要否と、入社後に必要な日本語力は別の話です。
N2が不要な職務でも、日本語の朝会、報告、生活手続き、社内文書の確認があるなら、企業は受け入れ体制を決める必要があります。
採用時には、日本語資格だけでなく、英語で技術評価を行えるか、日本語で何を行う必要があるか、入社後に誰が日本語学習を支援するかを分けて見ます。
制度を広く読みすぎると候補者を逃し、狭く読みすぎると入社後の現場が困ります。
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2026年4月15日、出入国在留管理庁が「技術・人文知識・国際業務」(技人国)ビザの審査指針を正式に改定しました。 改定の柱は、主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合、CEFR B2(JLPT N2相当)の日本語能力証明を新たに求めるという点です。 ただし、この要件が適用されるのはカテゴリー3・4に該当する企業のみであり、対象業務も翻訳・通訳や接客業務などに限定されています。 ITエンジニアなど技術職については、直接の適用対象外です。 本記事では、公式指針の内容をもとに、企業が把握すべきポイントと対応策を整理します。 [2026年4月15日更新]
COE交付からインドでの査証申請まで
COEが交付されても、候補者はそのまま入国できるわけではありません。
在インド日本国大使館は、就労や90日を超える滞在では、日本側の代理人がCOEを取得し、申請者が大使館や総領事館で査証申請を行う流れを案内しています。
インドでの長期査証申請は、管轄の大使館や総領事館、申請センターの案内に従います。
在インド日本国大使館の案内では、査証処理には申請日を除き最低4営業日が必要とされています。
ただし、予約、追加書類、地域の混雑で入社日はずれることがあります。
逆算スケジュール
4月入社や10月入社を目指す場合、内定日から逆算してCOE申請、追加資料対応、査証申請、航空券、住居、入社前研修を並べます。
新卒採用では、大学の卒業時期と学位証明の発行時期が重なるため、候補者だけに書類回収を任せると遅れやすくなります。
企業側は、内定前に必要書類リストを候補者へ渡し、卒業後にどの書類をいつ受け取れるかを確認します。
COE交付後に初めて渡航準備を始めると、入社前フォローが薄くなり、候補者の不安も大きくなります。
入社前フォロー
インド新卒採用では、COEと査証だけでなく、入社前の連絡頻度も重要です。
候補者は卒業、家族への説明、渡航、住居、銀行、通信、初出社までを同時に進めます。
企業側の連絡が途切れると、候補者は入社後の生活を想像しにくくなります。
入社前には、雇用条件、配属先、最初の業務、メンター、住居支援、日本語学習、渡航日の確認をまとめます。
ビザが取れたかどうかだけを見るのではなく、入社後90日で働き始められる状態を作ることが必要です。
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インド新卒採用では、日本の新卒一括採用をそのまま移すだけでは候補者の期待値とずれやすくなります。 この記事では、日印の採用構造の違いを比較しながら、日本企業が変えるべき採用プロセスと、先に準備すべき条件を整理します。
申請前に起きやすい失敗
インド新卒の技人国ビザ申請で起きる失敗は、書類の枚数不足だけではありません。
採用要件、職務説明、学位証明、企業カテゴリー、入社スケジュールがばらばらに進むことで起きます。
失敗 | 起きる理由 | 先に行う確認 |
|---|---|---|
専攻と職務がつながらない | 職務説明が抽象的 | 履修科目と担当業務を対応させる |
書類回収が遅れる | 卒業証明の発行時期を見ていない | 大学ごとの発行予定を確認する |
N2要件を誤解する | 制度要件と実務要件を混同 | 職務が対人言語業務か分ける |
入社日がずれる | COE後の査証申請を見落とす | 査証申請と渡航準備を入れる |
現場が受け入れられない | 入社後90日の業務が未定 | メンターと初期成果物を決める |
この表は、入管手続きだけでなく採用設計のチェックリストです。
制度上の書類をそろえても、現場が何を任せるか決まっていなければ、新卒候補者は入社後に迷います。
行政書士と紹介会社の役割分担
在留資格申請では、行政書士や専門家の支援が必要になる場面があります。
一方で、候補者の技術評価、専攻と職務の接続、入社後90日の業務設計は、企業と紹介会社が早い段階で整理すべき領域です。
書類作成だけを外部に任せても、採用要件が曖昧なままでは申請の説明が弱くなります。
誰が候補者書類を集め、誰が職務内容を作り、誰がCOEの進行を管理し、誰が入社前フォローを担当するかを決めてください。
まとめ
インド新卒採用の技人国ビザ申請では、候補者の専攻、企業が任せる職務、会社カテゴリー、追加書類、入社時期をつなげて確認します。
2026年4月15日以降は、カテゴリー3・4の企業で所属機関代表者に関する申告書が追加され、対人言語業務等ではCEFR B2相当の言語能力資料も確認対象になっています。
ただし、N2相当資料がすべてのインド新卒エンジニアに必要になったわけではありません。
企業が最初に行うべきことは、候補者の大学名を見ることではなく、履修内容と入社後の職務を対応させることです。
学位証明、Provisional Certificate、成績証明、氏名表記、翻訳文を早めに確認し、COE交付後のインドでの査証申請、渡航、住居、入社前フォローまで逆算します。
自社だけで進める場合、候補者書類、職務説明、COE、査証、受け入れ準備が分断されやすくなります。
Phinxは、インド現地ネットワークと技術理解をもとに、候補者選定からVISA・COE、入社後の立ち上がりまでを一体で整理できる点に強みがあります。
出典
出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html
出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan69.html
出入国在留管理庁「在留資格『留学』から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」 https://www.moj.go.jp/isa/10_00240.html
在インド日本国大使館「LONG-TERM VISA」 https://www.in.emb-japan.go.jp/long_term%20visas.html








